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vol.4 運転と飲酒(前編)
インデックスへ 1.アルコールが運転に及ぼす影響について 2.飲酒運転に関する法律・事故について 3.お酒についての豆知識と対策について
取材協力:社団法人 日本自動車工業会 広報室 持田弘喜氏/ 財団法人 日本電動車両協会 展示広報グループ 井口俊勝氏
1.アルコールが運転に及ぼす影響について
「少ししか飲んでないから、運転しても大丈夫!」
そんなセリフ、どこかで聞いたことありませんか?
それは大変な落とし穴。

お酒に強いからと言って、過信してはいけません。

本人は意識がしっかりしていると感じていても、
実は少量のアルコールでも身体に及ぼす影響は大きなものなんです。
Q1.お酒で「酔う」とはどういうこと?また摂取量との関係は?
Q2.お酒に強い人は、アルコールに強いということ?
Q3.ほんの少しのお酒なら運転してもいい?
Q1.お酒で「酔う」とはどういうこと?また摂取量との関係は?
Anser.「酔う」とは、血中のアルコール濃度が高くなることをいいます。摂取量が多ければ、「酔い」の状態もひどくなります。
お酒を飲むと顔が赤くなったり、テンションが高くなったり、飲みすぎると気分が悪くなったりしますよね。人によって症状はさまざまですが、これらが「酔う」という状態。
「酔う」のはお酒に含まれるアルコールが原因だということは、みなさんもご存知ですよね。また、「飲み始めは気分がよかったのに、だんだん気分が悪くなってきた、頭痛が…」、お酒を飲む量で身体の状態が変わってくるという経験は、誰しもあるはず。そう、アルコールの摂取量は多ければ多いほど、血中のアルコール濃度が高まり、身体に対する影響は大きくなるのです。
では、どのくらいのお酒の量で、血中のアルコール濃度がどのくらいになるのか、そしてまた、「酔い」の状態はどうなるのでしょう?
【血中アルコール濃度と酔いの状態】
  血中の
アルコール濃度
(%)
お酒の量 酔いの状態
ビール
大びん
日本酒
爽快期 0.02〜0.04 〜1本 〜1合 気分が爽やかになる、皮膚が赤くなる、陽気になる、判断力がやや鈍る
ほろ酔い初期 0.05〜0.10 1〜2本 1〜2合 ほろ酔い気分になる、手の動きが活発になる、抑制がとれる、体温が上昇し脈が速くなる
ほろ酔い後期 0.11〜0.15 3本 3合 気が大きくなる、大声でがなりたてる、怒りっぽくなる、立てばふらつく
酩酊期 0.16〜0.30 5本 5合 千鳥足になる、何度も同じことを繰り返ししゃべる、呼吸が早くなる、吐き気や嘔吐が起こる
泥酔期 0.31〜0.40 7〜10本 7号〜1升 まともに立てない、意識が混濁してくる、言葉が支離滅裂になる
昏睡期 0.41〜0.50 10本以上 1升以上 揺り動かしても起きない、大小便はたれ流しになる、呼吸はゆっくりと深い、死亡する
注1:「血中アルコール濃度(%)」は空腹で飲み、飲酒後30分の場合の目安
注2:「お酒の量」はおおよその目安です
社会法人アルコール健康医学協会「適正飲酒の手引き」より
この表からもわかるように、「酔い」の程度は血中のアルコール濃度によって決まります。お酒を飲んでもアルコールの影響はすぐには現れてきませんが、時間が経つにつれ、少量のお酒で判断力が鈍るような症状も見られ、飲み過ぎは最悪の結果にもつながることを忘れないようにしてくださいね。
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Q2.お酒に強い人は、アルコールに強いということ?
Anser.いいえ、違います。アルコールの影響度はどんな人でも一定です。
意外や意外、お酒に強い人でも弱い人でも、血中のアルコール濃度が一定値に達すれば、現れる症状も同じなのです!
では、お酒に強い人って、どんな人のことを言うの? 一般的にお酒に強い人というのは、ALDHの活性が活発な人のことを言います。ALDHとは、「酔い」の原因となるアセトアルデヒドを分解する酵素のこと。
アルコールは胃や小腸で吸収され、血液に溶け込み、肝臓に運ばれます。そして肝臓で分解され、顔を赤くしたり、動悸・頭痛・吐き気を催したり、などの原因になる「アセトアルデヒド」に生まれ変わります。この「アセトアルデヒド」を酢酸に分解するのが、ALDH=アルデヒド脱水系酵素なのです。酢酸は最終的に水と二酸化炭素に分解され、体外に排出されます。
つまり、お酒に強い人というのは、「酔い」の原因である「アセトアルデヒド」を分解するALDHがよく働きアセトアルデヒドの影響を受けにくい人のことであって、アルコールの影響を受けにくい人というわけではありません。このALDHの活性度は、遺伝によって決まるものなので、お酒に対する強弱に個人差が生まれてくるというわけです。
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Q3.ほんの少しのお酒なら運転してもいい?
Anser.絶対にダメです!少量のお酒も危険のもと
「少ししか飲んでないから、運転しても大丈夫!」
こんなセリフ、よく耳にしますよね。これが大きな事故のもとに…

まず、酔った運転はなぜ危険なのでしょう?
アルコールには麻酔作用があり、そのため中枢神経が麻痺し、集中力が鈍くなるから
安全運転のために必要な情報を充分認識できなくなり、判断も甘くなるから
視力が落ち、視野が狭くなったり、操作が遅れたり、不正確になるから
身体の平衡感覚が狂い、運動機能も低下するから
など、酔っていると、平常時よりもアルコールの影響で脳が指令を出す時間が長くなるため、視覚・聴覚をつかさどる反射神経が鈍くなります。運転とは、主に視覚・聴覚に基づいて脳が瞬時に適切な指令を出すことにより行われる行為ですから、酔った状態で運転するということが、どれだけ危険かわかりますよね。さて次に、体内からアルコールが消失する速度についてですが、実はこれも血中のアルコール濃度が同一であれば、身体に現れる症状が同じように、個人差はありますが、基本的には誰でも同じなのです。実際アルコールが体内から消失するには、血中のアルコール濃度が0.02〜0.04%(日本酒約1合、ビール大びん約1本分)の場合で約3時間もかかります。先ほどの表を見ると、日本酒3合で「ほろ酔い後期状態(血中のアルコール濃度0.11〜0.15%)」になり、「気が大きくなる」「立てばふらつく」などの症状が現れ、身体は普通の状態ではありません。しかも、アルコールが完全に消えるのは9時間後!たとえ6時間寝た翌朝でも1合分は体内に残っていることになり、その状態で運転すれば「飲酒運転」です!
さらに怖ろしいことには、血中のアルコール濃度が0.06%を超えると、運転事故の可能性は2倍、0.1%を超えると6〜7倍にもなるという統計も出ています。
Q1・2をまとめると、お酒に「強い」「弱い」を決めているのは、アルコールに対する強弱ではなく、「酔い」の原因になるアセトアルデヒドを分解するALDHの活性の活発さです。しかし、その活発さに関わらず、体内からアルコールが消失する速度は誰でも変わらないので、「あまり酔っていない」と自分で勝手に判断して運転するのはとても危険なことなのです!
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