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vol.3 運転と休息
インデックスへ 1.運転と疲労の関係 2.運転前・運転中の疲労対策 3.疲労回復ストレッチ講座
取材協力:社団法人 日本自動車工業会 広報室 持田弘喜氏/ 財団法人 日本電動車両協会 展示広報グループ 井口俊勝氏
1.運転と疲労の関係
「運転」はドライバーにどのような疲労をもたらすの?
また、運転していない人との違いはどうなの?

このことについて調べた実験で、とても興味深い結果を見ることができます。実は「運転」という行為、長時間に及んだとしても、からだが感じる「肉体的」な疲労はごくわずか。

運転中の疲労の犯人は「精神的」なものなんです
Q1.運転中の疲労って、どんなもの?
Q2.運転中、からだはそんなに疲労しないってホント?
Q3.疲労が運転にもたらす影響は?
Q1.運転中の疲労ってどんなもの?
Anser.大きく分けて「肉体的」疲労と「精神的」疲労の2種類があります。
長時間のドライブに疲労はつきものですよね。

運転中の疲労は大きく1.肉体的疲労 2.精神的疲労に分かれます。
では、それぞれどのようなものなのか説明しましょう。
長時間運転は一定の姿勢を持続しているため、肩がこったり、腕がだるくなったり、足がむくんだり…。これらが運転における肉体疲労です。また、姿勢の悪い運転は疲労を早めます。シートベルトをきちんとして、正しい姿勢を心がけましょう。
正しい姿勢って…
・シートに深く腰掛け、背もたれに軽く肩までをつける。
・背もたれは必要以上に倒さない。寝そべった姿勢だと、万一の時に体がシートベルトの下に潜り込んで重大な傷害の原因になることがあります。(これは助手席でも同じです!)
・ハンドルの一番遠くを持ったときに、ひじがわずかに曲がるくらいにする。
・ブレーキをいっぱいまで踏んだ時にわずかに膝が曲がるくらいにする。
・以上を満たした上で、エアバッグ付きの場合はなるべく後ろに下げます。
本当に運転のうまい人は、どちらかというとハンドルに近めのポジションをとっているものです。「それは初心者みたいでカッコ悪いよ」と思っている方もいるでしょうが、大きな間違いですよ!
2.精神的疲労とは…
運転中、前の車が急にブレーキを踏んだり、突然の割り込み運転、渋滞などでイライラしてストレスを感じたり、高速道路での長距離ドライブ中、単調な動作の繰り返しで頭がボーっとしたり、注意力が散漫になったり…。こんな経験はありませんか?これらはすべて精神的疲労といえるでしょう。運転は視覚・聴覚など五感を使った認知・判断・操作を連続して行う作業です。このような作業が長時間におよぶと脳や神経系も疲れはじめ、またこれらの疲れが重なると精神的疲労が起るのです。
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Q2.運転中、からだはそんなに疲労しないってホント?
Anser.はい、からだより「精神的」な疲労が大きいのです。
運転による「肉体的疲労」と「精神的疲労」の違いはわかりましたか?では、運転でより大きく疲れるのは「からだ」?それとも「精神」?
「運転」がドライバーと同乗者にもたらす疲労について、実験を行いました。ドライバー1人、同乗者2人で24時間睡眠をとらずに、「50分走行、10分休憩」を繰り返し、「肉体的疲労」「眠気やだるさ」「注意力集中への困難」に対し、アンケートを取りました。
この実験の結果、「肉体的疲労」については、ドライバーと同乗者との差があまり見られませんでした。しかし、「眠気やだるさ」「注意力集中への困難」といった「精神的疲労」についてのアンケートでは、ドライバーは同乗者より高いレベルで疲労の度合を示しました。さらに、精神的なストレスを受けると分泌されるホルモンの一種「コルチゾール」値を測定し、「精神的疲労」を検証してみました。
この結果、同乗者のコルチゾール値は、朝高く昼夜には下がる通常の分泌量であるのに対し、ドライバーのコルチゾール値は日中でも常に高い分泌量で推移していました。要するに、「運転」はコルチゾールが常に高い状態=強い精神的ストレスを感じる状態にあるということです。
「運転」は、「肉体的疲労」よりも「精神的疲労」のほうが大きいのです。
ただ、「精神的疲労」に影響を及ぼす「ストレス」は、必ずしも悪く働くわけではありません。「○○へ行こう!」という目的意識も一種の「ストレス」ですが、この場合は目的のために頑張って「運転」できるのです。また「運転」が好きな人にとっては良い刺激となります。「ストレス」を良く感じるか、悪く感じるかには個人差があるようです
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Q3.疲労が運転にもたらす影響は?
Anser.「サブ・システム」に頼ってしまい、大きな事故に!
「精神的疲労」は、運転にどのような影響をもたらすのでしょう?
「運転」は視覚を使った認知・判断・操作で、脳が指令を出して行う作業だということは先ほど説明しました。
ただ、人間は「サブ・システム」というプログラムを持っていて、毎日繰り返し行う動作などは、いちいち脳から指令を出さなくても自然にできてしまうようになります。このシステムは、クルマや自転車の運転シーンでもよく働きます。例えば「危険!」→「ブレーキを踏む」など、突然のできごとに対し素早い判断ができるのは、「サブ・システム」が働いているからなのです。
このことから考えると、長時間運転でからだが運転に慣れてきて、眠い・だるいなど精神的な疲労で、脳がきちんと働かず、集中力が欠けたり、一瞬意識がなくなっても「サブ・システム」が働き、「運転」を継続してくれてしまう、ということです。
そのほかにも、こんな例があります。
携帯電話で話しながら運転。会話をしていても通常と変わらない状態で運転が行えているように思えませんか?それは「サブ・システム」が働いているから可能なのです。これが大きな落とし穴!!「サブ・システム」が働いているということは、きちんと脳から指令が出ず、視覚がちゃんと働いていない証拠です。要するに周りの状況をきちんと把握できていないわけです。
「携帯電話で話しながらでも、ふだんと変わらず運転できている」。これはあなたの錯覚なのです。
疲労や集中力に欠けた運転は、大きな危険と隣り合わせであることを認識して、運転中は携帯電話もドライブモードに切り替えましょう!
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